2012年4月18日水曜日

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「質問書方式授業」での生徒の質問集

2001年度 生物TA (2001年4月〜2002年3月)

鈴木健夫

 以下は、2001年度生物TAの授業の一環として行った、質問書に生徒が書いてきた質問の総まとめです。生徒の素朴な質問をそのままリストアップしました。私のコメント(→の次に書かれているもの)もできるかぎりそのまま載せました。ただし、百科事典など他の資料から引用したものなどや図のあるものなどは、ここでは割愛しました。また、生徒の質問のうち、意味不明なものや内容として不十分なものや、授業の内容に即した質問でここに載せても理解しにくいものは、割愛しました。実際には、この2倍くらいの量の質問が出されて答えています。

2000年度は、質問を「書きたい」人だけ書くという形を取りましたが、2001年度は、プリントの提出点に加味するという形で、質問を書くことを得点化しました。そのため、質問の量が膨大になりました。

しかし、生徒達の質問は、本質をついているものが多く、こちらが考えさせられることが多いものです。私が「ドキッ」とした質問や、調べてみて自分自身勉強になった質問をピックアップしておきましたので、ぜひこれだけでもご覧下さい。

Q2-20:ミトコンドリアって虫ですか、それとも菌ですか?
Q2-48:核の中にある染色体って何色?
Q4-14:細胞の核は、どういう原理で染まっているのですか?
Q5-18:(人の染色体の数を数えるという演習をした後の質問)ヒトの染色体の数を何で数えなきゃいけないんですか?
Q9-9:精子って生物・無生物?
Q13-11:血液型占いや性格判断などは誰がどういう理由で考え出して、誰がどういう理由で必要とするのか?どういうふうに調べているのか?
Q14-7:お腹の中の子がダウン症ってわかったからって中絶するという人は、なんでだろう?
Q18-10:なぜ化石は石の中にできるんですか?
Q22-4:海に生きている生き物で陸にいて海に戻った生き物はクジラやイルカのほかにいるんですか?
Q22-5:今まで� �番長く生きた動物って何なんですか?
Q26-6:血管って何色か?
Q27-3:こんなに危険なタバコを最初に作った人は誰なんですか?

私のコメント(答)は、時間がない中で答えているものも多く、また私自身生物が専門でないので、いいかげんな答や不正確な答も多くあります。授業実践の一環として、ご覧下さい。あくまでも、この欄は、生徒の質問を紹介するのが主旨であり、その答を公開することが目的ではありません。その点を踏まえて、コメントをお読み下さい。なお、質問の番号は、授業で使っているプリントの番号を元にした整理番号です。あまり深い意味はありません。※印は上に「ピックアップ」した質問です。

「質問書方式授業」のやり方などについては、ここにまとめてありますので、ぜひご覧下さい。

Q2-7:細胞は元は一つの細胞から生まれるのに、なぜ違う働きをして違う形のものが生まれるのですか?
→これこそ、今でも世界中の生物学者が研究している最大の謎だ。核の中の染色体にある「遺伝子」にその設計図(命令)が書かれているが、どうしてそれがうまく細胞を違う形につくりかえるのか、完全にはわかっていない。

Q2-9:どうして人間と違って動物(植物?)は液胞があるのですか?僕は人間にあってもいいと思うんですけど。
Q2-10:液胞って何ですか/液胞はどういう働きをするんですか?
→液胞は、細胞内側から広げる働きをしている。中は液体だ。植物細胞は外側が細胞壁で囲まれているから、内側から押せばパンパンになって形が安定する。つまり、植物は細胞がしっかりとした形になるため� �液胞が必要だ。動物には細胞壁がないから、液胞があったら、細胞が破裂してしまう。

Q2-14:なぜ植物も動物と一緒の細胞を持っているのに、ちょっとちがうだけで変わってくるのですか?/なんで動物と植物の細胞は違うのですか? 動物と植物細胞はどうして同じではないのか?/動物細胞と植物細胞と違うのはなぜ?
→葉緑体があるかないか、というような違いは、ちょっとの違いではなく、本質的な違いだ。動物と植物が本質的に何が違うかということに関係している。この3つの質問は、そもそもどうしてこの地球に動物と植物という大きくわけて2種類の生物がいるのか、という話になってしまう。栄養の取り方で2つの違いができたと考えられる。

Q2-15:なぜ動物細胞はやわらかいのに、植物細胞は固いので すか?
Q2-16:植物細胞にだけ何で細胞壁があるのか?
→動物は骨格があるから細胞がやわらかくても身体の形を保つことができる。もちろん、クラゲのように身体が柔らかいままのもある。植物は動かないかわりにその場で体を支えなくては行けない。だから細胞壁を作って体の形を確保している。

Q2-20:ミトコンドリアって虫ですか、それとも菌ですか?※
→虫ではない。ミトコンドリアは大きな細胞に取り込まれた小さな細菌がそのまま共生(寄生)したものだ。そういう意味では、細胞に取り込まれる前は菌だったと言ってもいいかもしれない。

Q2-24:ミトコンドリアとは呼吸そのままの意味なんですか?/ミトコンドリアはどうやって呼吸を行っているのですか?
Q2-25:ミトコンドリアはどういう働き� �するのか/ミトコンドリアはどんなときにどんな働きをするのですか、詳しく知りたい。
→「ミトコンドリアが呼吸をする」と書いてしまうと、まるで小さな虫が息をしているみたいに思えるが、そうではない。内側のひだ状の「クリスタ」のすき間で化学変化を起こしてアデノシン二リン酸(ADP)という物質がアデノシン三リン酸(ATP)になる。このときに酸素を取り込んで二酸化炭素を出す。こうしてできたATPが他の所に運ばれると、エネルギーの元としていろいろなことに使われる。

Q2-26:ミトコンドリアが細胞に寄生する前は、生物はいなかったのですか?
→実は今でも、ミトコンドリアを持っていない生物がある。それは「原核細胞」と呼ばれているものでできた単細胞生物で、動物にも植物にも分類 されない。細菌類が代表的。これらは、普通の意味の呼吸をしない。おそらく最初の生物は今の細菌のようなものだったのだろうと考えられている。

Q2-27:たしかミドリムシって葉緑体持っているんじゃなかったっけ?なんで動くの?
→鋭い質問だ。ミドリムシは確かに葉緑体を持っているのに動く。葉緑体があるので、植物に分類されるが、動くことから動物に分類されることもある。葉緑体があるものは動く必要がないという本質からはずれる、数少ない例外だ。

Q2-35:どうして動物と植物は共通点があるの? (ぜんぜん違うように見えるのに)
→これこそ、生物というものの本質にせまることだ。すべての生物は細胞を持ち、しかもその細胞に共通点があるということが、生物の本質に関わっている。さらには� �細胞とは何なのかを研究していけば、当然共通点は何かということが問題になる。そういう目でもう一度動物細胞と植物細胞を見直してみよう。

Q2-36:葉緑体を持つ植物は自分で栄養を作れるのに、食虫植物はどうして虫をとらえて食べるんですか?
Q2-37:植物細胞は葉緑体があって自分で栄養を作れるのに、花壇とかに咲いている花や畑の植物にはなぜ肥料が必要なの?
→この二つの質問は、関係があるので、まとめて答える。「栄養」ということの意味が単純ではないからむずかしい。葉緑体で行う光合成で炭水化物を作ることができるが、タンパク質は作れない。タンパク質を作るには、窒素の化合物が必要。窒素の化合物があれば、炭水化物をタンパク質に変えることができる。そこで普通の植物は、土の中から根� �吸い上げることで窒素化合物を取り入れている。肥料が必要なのもそのためだ。ところが、土にそういう養分がないところでは、植物は困ってしまう。そこで、虫を捕まえてそのタンパク質を取り入れることで養分を補う植物ができた。だから食虫植物が育つところは、土の栄養分が極端に少ないところだ。

Q2-43:人間と植物は何で違うのか?
→こういう質問は、答に困る。人間は動物として進化したもので、栄養を自分では作れないので栄養を取るために色々なことをしなくてはならない。植物は基本的な養分を光合成で作るので動く必要がない。葉緑体を持たない動物の進化した結果として人間が生まれたとしか言いようがない。

Q2-48:核の中にある染色体って何色?※
→「染色体」という言葉は、色を染めると見� ��るという意味だ。ふだんは見えない。色を染めたとき、その染める色素によって色が決まる。よく写真で見るのは赤紫だ。

Q3-2:黒という色はどうやってできているの?/紙に印刷されている文字は一色ではないのはなぜだろう
→これは、印刷された文字を顕微鏡で見て質問しているので、印刷物の黒い色がどうやってできているのかという質問だろう。印刷物は、ほとんど赤、黄色、青色の3色のインキを重ねてすべての色を表している。だから、黒はその色が重なって印刷されているはず。文字が一色でないのも、同じ。

Q3-7:最高でどれくらいの大きさのが見れるんですか/顕微鏡は倍率がいくつまであるのかわからない
→普通の顕微鏡では、数百倍の倍率が精一杯だ。さらに高度な顕微鏡でも、光を使う顕微鏡� �は、2000倍くらいが限界だそうだ。しかし、光ではなく、電子を光のかわりに使う「電子顕微鏡」では、倍率はすごく大きい。電子顕微鏡では、100万倍くらいまで拡大できる。最新の技術を使った「走査型トンネル顕微鏡」というものでは、1000万分の1ミリメートルまで見えるそうだ。この倍率だと原子の並んでいる様子などが見られる。

Q3-11:何で人の目は顕微鏡みたいに大きくはっきりみることができないのか(便利だと思うのに)
→大きく見えると言うことは、見える範囲が狭いと言うことだ。人の目が顕微鏡みたいに大きく見えるとしたら、見える範囲はすごく小さくて、まわりが何も見えないし、どこを見ているかもわからなくなってしまうだろう。何事も、良い面と悪い面がある。実際の目は、我々� �生活するのにちょうどいいようになっている。

Q4-2:鉛筆の切片で細胞を見ましたが、そこに核のあとか何かあるのですか/何で死んでいる木に細胞があるのか
→枯れた木は、細胞1つ1つはもう死んでいるだろう。細胞の中身の核や細胞質は、乾燥してなくなっていく。しかし、細胞壁だけは固いためにそのまま残っている。鉛筆や割りばしで見た細胞は、実は細胞壁だ。

Q4-6:何で細胞って言うの
→「細」は「細かい」とか「小さい」という意味。「胞」は生き物の中で膜に包まれている部分を意味するそうだ。だから、「細胞」という「膜に包まれている小さなもの」という意味。英語では「cell」というが、それを翻訳するとき、意味を考えて言葉を作ったのだろう。

Q4-10:虫にも細胞ってあるんですか
� ��すべての生物は細胞でできている。虫ももちろん生物だから、虫の体もすべて細胞だ。

Q4-14:細胞の核は、どういう原理で染まっているのですか※
→核の中の染色体がよく染まって、それ以外は見えにくいので、核を見るのにいい、というような説明をしたと思う。染色体は、中味はDNA(デオキシリボ核酸)という物質だ。これが酢酸カーミンや酢酸オルセインという染色液とよく反応する。どうしてと言われると、そういう性質だとしか答えられない。原理を調べたが、僕の知識と資料ではわからなかった。

Q4-16:細胞は何で四角形なのですか
→割りばしや鉛筆の細胞を見てそう思ったのかな。木の細胞はびっしりと木の組織を埋めているので、どうしても四角くなってしまう。バナナの果肉や人の口の粘膜の細胞は、四角くなかっただろう。

Q4-17:酢酸カーミン液はどうしてすごいいいにおいがする� ��か
→名前の通り、酢酸につけてある薬品だ。酢酸とはお酢のこと。酢のにおいがしたはず。それを「いいにおい」と思うか「いやなにおい」と思うかは人それぞれだが。

Q4-18:何でタマネギは核が1個ずつあるのか
→すべての細胞は、核が1個ずつある。例外はない。タマネギの表皮細胞でそれを確認できたわけだ。

Q4-23:人間のフケやハナクソには細胞があるんですか
→フケは頭の表皮細胞が古くなってはがれたものだ。だから、細胞膜の名残が見えるかもしれない。(今僕自身、自分のフケを見てみたが、それらしい形が見える。)ハナクソは、鼻の穴の粘膜にこびりついたゴミの固まりだから、こちらは細胞ではできていないと思う。

Q4-24:生物全部にミトコンドリアはいるのですか
→原始的な単細 胞生物(原核生物とよぶ)は、ミトコンドリアを持たないが、それ以外のすべての生物はミトコンドリアを持っている。

Q4-25:細胞は個人差とかないの?
→「個人差」とは何なのかがむずかしい。おそらく表皮細胞は誰の表皮細胞でも見た目は同じだろうし、神経細胞は誰のものでもやはり同じに見えるだろう。でも、その表皮細胞が集まってできる顔は、人によってまったく違うわけだ。そこが謎だ。

Q4-26:何で人間と植物の細胞ってちがうのだろう
→人間と植物では、本質的に生物としてまったく違う。どのように栄養を取り入れて、子孫を増やしていくのか、人間は人間の方法があり、植物は植物の方法がある。それに適した体を作っているのだから、細胞がまったく違う形になるのは当然だ。

Q5-1:母細胞� ��ら分裂した娘細胞はやっぱり母細胞より小さいんですか
→分裂をするときは、元の細胞の半分になる。つまり娘細胞は母細胞の半分くらいの大きさだ。そうしてできた娘細胞は、栄養を取り入れて大きくなり、次の母細胞になっていく。


膜タンパク質は、何をします

Q5-3:何でヒトの染色体は46本と決まっているのか/何でコイは100本という染色体があるのか/コイの染色体は何であんなにあるんですか/何でコイが染色体が多いのですか/なぜ生物によって染色体の数がちがうのか/なんで(たくさんの生物の)染色体の数がちがうの?全部同じ数でもいいと思う。/染色体の数はなぜ決まっているの
→染色体は、遺伝子(遺伝の情報・設計図)であるDNAが集まってできている。どの染色体にどういう遺伝子があるかというのは、すべて生物ごとに決まっていて、どの遺伝子とどの遺伝子が組み合わさって染色体を作るかということも、遺伝子ごとに決まっている。どういう遺伝子のセットを持つかということは� ��同じ種の生物ならば同じだ。(遺伝子の具体的な中身は違うが。)それが違えば、違う種類の生物だということになる。だから、遺伝子の集まりである染色体も、生物の種類ごとに決まることになる。染色体の数が多いのは、遺伝子が多いからとは限らない。相同染色体は普通2つセットだが、それが4つでセットになるように持っている生物もある。(倍数体という。)そういういろいろな理由から、生物によっては染色体の数が多い場合もある。ちなみに、コイは100本だが、イヌは78本だそうだ。

Q5-4:染色体が一番少ない生物は何ですか
→調べた資料では、一番少ないのは、「ウマノカイチュウ」という動物で、染色体数は2だ。

Q5-5:染色体が一番多い生物は何ですか
→調べた中で一番多いのは、「オホ� �ツクヤドカリ」という動物で、254本だ。もっと多いのもあるかもしれないが、調べた範囲ではこれが一番多い。

Q5-10:細胞分裂って定期的に行っているんですか/細胞はいつどのようなときに細胞分裂をするのですか
→細胞の種類による。人間でいえば、脳や神経の細胞は、ほとんど(というかまったく)細胞分裂はしない。しかし、普通の皮膚の表面や内臓の細胞などは、数日から数ヶ月に1度くらいずつ細胞分裂をしている。細胞は、ふだんは核の中のDNAをコピーする準備として、タンパク質やリン酸などを作ってためている。コピーができるくらいに蓄えられると、その物質を使ってDNAのコピーが始まり、細胞分裂が始まる。

Q5-11:細胞って何で分裂してしまうの/細胞はどうして分裂するのか
→細� ��は、分裂でしか増えることができない。細胞が増えなければ、その生物は成長しない。だから、生物が成長したり、体を維持したりするのには、細胞分裂が必ず必要だ。

Q5-12:すべての生物の細胞が細胞分裂して増えるのですか
→細胞が増えるのは、細胞分裂しかない。すべての細胞は細胞分裂して増える。

Q5-13:微生物には細胞はできるのかな
→単細胞生物のような微生物が一番小さい生物だが、単細胞生物も一つの細胞だ。だからすべての微生物も細胞でできている。

Q5-18:(人の染色体の数を数えるという演習をした後の質問)ヒトの染色体の数を何で数えなきゃいけないんですか※
→これは、「何で私が数えなきゃいけないのか」という意味かな? どうして授業でそういうことをするか。今最先端� �生物学や医学の研究では、ヒトの染色体の中の遺伝子の構造をすべて分析している。これができると、すべての病気に関して、その対策(薬だけでなく様々な方法)がわかって、病気はまったくこわくなくなるかもしれない。こういう風に、ヒトの染色体の研究を進めると、生物としてのヒトの謎がすべてわかるようになるかもしれない。そのための知識を、専門家以外の我々が持つのは絶対に必要だ。そのために染色体のついて勉強しているのだ。

Q5-19:なぜ単細胞は多細胞にならないのか
→単細胞生物は、ある意味で進化した結果として今のような生物になっている。一つの細胞に胃袋のような機能もあるし、手足のような部分もあるし、目のような働きをする部分もある。たった一つの細胞でそれらの働きをすべてしてい� �。でも、多細胞生物はそういう機能を別々の細胞の集まりに分担させて、もっと効率よくしている。それぞれ単細胞は単細胞のメリットもあるし、多細胞生物は多細胞生物の良さがある。今の単細胞生物が突然多細胞生物になることはないが、数千万年もたてば、それらが進化して新しい多細胞生物になることはあるかもしれない。

Q5-21:細胞が分裂しなかったらどうなるのですか
→細胞は、分裂でしか増えることはないから、分裂しなかったら数が増えない。そして、一つの細胞の寿命は決まっているから、分裂しなかったら、その細胞はいずれ死んでしまうだろう。

Q5-22:染色体はどのくらいの大きさなんですか
→ヒトの場合、普通の細胞で染色体の太さ(直径)は約1〜2ミクロン(1000分の1ミリ〜1000分の2ミリ)、� ��さは数ミクロンから十数ミクロン(1000分の数ミリ〜十数ミリ)である。

Q6-9:何で染色体は2つずつなんですか、3つ以上でもいいじゃないですか/何で染色体はペアになっているのか
→これは、親が2人であり、3人の親から生まれるわけではないことが原因だ。2つずつの相同染色体は、それぞれ父親と母親からもらってくる。もしも性別が男女2つだけでなく、3つあるなら、親も3人で、染色体のセットも3つずつになるはずだ。もしかしたら、そういう宇宙人はいるかもしれないが、地球の生物ではそういうのはない。

Q6-10:染色体は動いたりするのか
→染色体一つ一つが虫のような生物なのではないので、自分で動くというわけではない。しかし、細胞分裂の時、核の中で染色体のコピーが進んで、2つに 分かれていくが、それは誰かが操作するのではなく、染色体自体が分裂していく。

Q6-13:染色体をいじって男と女を好きな方を生ませることは技術的に可能ですか
→男になるか女になるかは、精子の中にY染色体があるかどうかで決まる。そこで、Y染色体を持つ精子だけをわけることができれば、男だけを生むことができる。そういう研究も進んでいると聞くが、どの程度実用化されているかはわからない。質問は、精子を作る前の染色体をいじることが可能かと聞いているかもしれないが、それはむずかしいだろう。それより、できた精子のうち、Y染色体を持つものとX染色体を持つものを分けた方がよい。

Q6-17:なぜ細胞は必要なのか
→なぜ必要か、というより、生物を作っているのが細胞だとしか言いようがない。� ��べての物質が原子からできているのと同じように、すべての生物の体は細胞でできている。それが生物の特徴なのだ。

Q7-11:生殖しない生物はないんですか
→生物は子どもを増やさなければ自分が死ぬと絶滅してしまう。絶滅する生物は今の地球に生き延びているはずはない。だから、今地球上で繁栄している生物で、生殖しないものはないはずだ。もっとも、人間の老人みたいに、もう生殖する役割を終えた生物はありうるよ。それは、生物の種類としてではなく、個体として生殖しなくなっているだけだが。

Q7-12:病院のガンの治療で放射線を使うけど、それで病院内の人に被害はないのか
→放射線は、強いものを大量に浴びれば、細胞が破壊されてしまう。それを逆に利用して、ガン細胞だけをねらって放射線をあてて、ガン細胞をこわすことでガンの治療に使っている。しかし、それは正常な細胞に当たっても、その細胞をこわしたり逆にガン細胞にしてしまったりする。病院の人も、しょっちゅう近くで浴びていれば、やはり大きな影響を受ける。そこで、病院の人は放射線やX線を使うときには必ず隣の部屋や遠くに離れるようにしているはずだ。

Q7-15:なぜ球根やジャガイモでは根・葉・茎の一部から新個体が生まれるのか
→これは、生物にとって便利な生殖方法だ。親が死んでしまっても、その体の一部から次の子ど� �をどんどん作ることができる。ただ、これができるためには、体の構造が複雑になっているわけにはいかない。だから動物ではできない。体の構造を進化させて複雑にする変わりに、このような無性生殖ができなくなったのだ。

Q7-16:(生殖としての)分裂はなぜ無性生殖の植物(動物?)にしかおこなわれないのか
→上の答えに似ているが、分裂も簡単にできる生殖方法だが、体の構造が複雑な生物ではできない。環境に適応するために複雑に進化していったかわりに、生殖方法も複雑にならざるを得なかったのだろう。

Q7-17:ジャガイモから新しい芽が出てくるということは、ジャガイモは種なのですか
→「種」というのは、花粉と子房が受精してできるものだ。有性生殖でしか作られない。ジャガイモは、種なの� ��はなく、球根のように体の一部が次の世代の子どもになるものだとしか言いようがない。

Q7-21:もしヒトが無性生殖で増えたら、同じような人ばかりになるの?
→その通り。クローンはこれだ。世界中で、有性生殖が禁止になり、クローンでしか子供が産めなくなったら、人類はどうなるだろう。たとえば、すべての子どもがヒトラーのクローンだったらどうなるのだろう。考えるのも恐ろしいね。個性が色々あるから、人類に未来があるのに、みんな同じ性質を持って生まれてきたら、人類はおしまいだ。それが無性生殖の特徴なのだが。

Q7-23:どうして生物は無性生殖と有性生殖に分かれたんだろう。
→授業の中で説明したつもりだったが、無性生殖は簡単に大量に子どもを増やせるが、子どもの個性がない。だか ら、環境が変わると、それに対応する子どももいなくて、すぐに全滅してしまう。有性生殖は、いろいろな個性のある子供を生める。そこが大事なところだ。その個性のおかげで、環境が変わっても生き延びる子どもが必ずいることになる。だから、生物にとって、有性生殖の方が有利なはずだ。だから、進化する過程で、無性生殖から有性生殖に変わっていったのだ。

Q8-14:アカムシを食べる魚や虫がいますが、おいしいのでしょうか
→人間が食べてもおいしくはないだろうが、魚や虫がアカムシを食べるときは、きっと「おいしい」という感覚を持っているのだろう。いやいや食べているのではなく、積極的に食べるのは、その魚や虫にとって、食欲を刺激するからだ。

Q8-15:アカムシはどんな生物に食われるのだろう� ��アカムシでなんかつれますか
→ほとんどの魚は食べるようだ。メダカや金魚などのエサにもなる。ただ、僕は釣りが趣味じゃないので、実際に釣りのエサとして何を釣るときに使うかはよく知らない。

Q8-16:どうしてアカムシは水の中でも生きていられるの 
→水棲(水に住むという意味)の昆虫は、他にも多くいる。昆虫が水の中に生きるときは、いろいろな方法があるらしい。たとえば「ゲンゴロウ」は空気の泡を体のまわりにまとわりつけるようにして、長い時間水中でも大丈夫になるようにしている。えらを持っているものもある。アカムシがどうしているかは、調べてもわからなかった。

Q9-3:この考え方(XY染色体で男女が決まる)によると、男女ができる確率は50/50だ。でも、この世の中には男の方が人数� ��多かった気がする。なんでだろう。
→男の方が出生率が少し高い。これは、Y染色体を持つ精子のほうが、X染色体を持つ精子よりも少し軽いため、精子どうしで競争するときほんの少しだけ有利になるからだ。そのため、生まれてくるときには、男のほうが少し多い。しかし、男女で比べると、男のほうが死ぬ可能性が高い。そのため、結婚適齢期ころになると、男女はだいたい同じくらいになっている。自然はうまく作られている。

Q9-5:何で犬とかはあんなに一度に生むのか
→犬は、その種類によるが、少ない場合で1回に2匹。大型の犬では1回に10匹くらい生むそうだ。基本的に子供を多く生む動物は、その子供が生き残る可能性が低いということだ。たとえば魚などは1回の出産で数万匹から数百万匹の子供をう� ��。しかし、生き残って大人になるのは、そのうち数匹なのだ。犬の場合は魚ほど厳しくはないが、人間よりは子供のうちに死ぬ可能性が高いのだろう。

Q9-6:何で卵子(卵)の方が(精子より)大きいのか
→核の染色体については、卵と精子は平等だが、精子は卵核に染色体を届けるだけの役割しか持たない。卵は、受精した後その受精卵が分裂して子供になっていくときの栄養を持っている。だからニワトリの卵なども、栄養がいっぱいなのだ。

Q9-8:精子は何で魚みたいな形なのか
→精子は、卵にたどりつくまで、母親の膣や子宮の中を泳いでいかなければならない。だからあんな形をしている。

Q9-9:精子って生物・無生物?※
→精子は生物の中の細胞でしかない。精子自体が栄養を取り入れることはな� �し、分裂して増えることもない。だから無生物だ。

Q9-12:両親からまったく同じ子が(絶対に)生まれないんですか/染色体がもし同じになったらどうなる?
→一卵性双生児と同じで、まったく同じ遺伝子を持った双子のようなこどもが生まれるだろう。ただし、一卵性双生児のように受精卵ができた後に分かれる以外で、こういう同じ染色体を持つようになる確率は、なんと64兆分の1。つまり、一組の夫婦から64兆人の子供が産まれなければ、同じ染色体を持つ子は産まれない。

Q9-14:受精卵はどうして母と父からもらうんですか?数をそろえるなら片方からもらえばいいことなのに、どうして両方からもらうんですか/母の染色体と父の染色体の数が一緒なら、一人の方からもらえばいいんじゃないですか?
� ��問題になるのは、染色体の数ではなくて、染色体の中身だ。同じ形をした染色体でも、中の遺伝子はそれぞれ違う。二人から染色体をもらうことで、いろいろな遺伝子をもらって、様々な性質を持つようにして、子どもの可能性を広げるようにしているのだ。

Q11-1:何でA型、B型、O型って言うのですか。/なぜA,B,AB,O型というのか
→ABO式は赤血球の表面に付いている糖タンパク質の構造の違いで分けられている。A抗原を持つものが「A型」、B抗原を持つものが「B型」、AB、両方の抗原を持つものが「AB型」、抗原を持たないゼロのものが「O型」だ。だから、A,B,O,ABという記号はこの「抗原」の名前からついている。


防虫剤はどのように動作しない

Q11-2:血液って何でみんな違うの? 別にみんな一緒でもよくない?/何で人間は血液型があるんですか?
→最初、人間はみんなO型だったらしい。それがいろいろな突然変異があって、A遺伝子やB遺伝子ができてきたらしい。要するに、血液の中のタンパク質のタイプの違いだ。そもそも、輸血をしなければ血液型の違いは問題にならない。肌の色や髪の毛の色や瞳の色などに個人差があるのと同じで、血液の成分に個人差があるということだ。

Q11-7:家族が全員同じ血液型で、一人だけ違う血液型になるのは何%ですか?
→一つの例をプリントの問いに載せた。(家族みんなA型で、一人だけO型。)それを確率で表すのはむずかしい。いろいろ な場合があるからだ。確率としてそれほど高くはないが、起こってもぜんぜんおかしくないということは言える。

Q11-8:血液型によって蚊にさされやすかったりさされにくかったりするって聞いたけどなぜ?/B型が蚊によくさされるって本当ですか?
→いろいろな説がある。O型がさされやすいという説もあるし、A型がさされやすいという説もある。血液型はまったく関係ないという説もある。どうやら、関係ないという説が正しそうだが、まだはっきりとはわからないようだ。

Q11-12:A,B.O.AB以外にどんな血液型があるんですか?
→A,B,O,ABの血液型を、ABO式という。それ以外に、MN式、Q式、E式、T式、Rh式、ルセラン式、ダフイ式などおよそ400種類の型があるという。すなわち、厳密に血液型を調べた場合、まった� ��同じ血液に出会う確率は、943億分の1。親子関係の鑑定などで利用されているという。

Q11-13:人間以外の生き物にも、血液型はあるんですか?ネコとかイヌとか微生物とか。/人間以外の生物にも血液型の違いはありますか?
→人間以外の生物にも同じように血液型はある。ただし、これも輸血をしないと問題にならないから、普通は気にしていないよね。我が家もネコがいるが、その血液型など気にしたことはない。

Q11-14:日本人にO型が多いらしいけど、なんで弱いO型が多いんですか?
→遺伝子が弱いからといって少ないとは限らない。たとえば1学期に勉強した耳あかのタイプも、ドライとウェットとではドライの方が弱いのに、日本人のほとんどはドライだ。遺伝子が2つ重なるときは弱い(性質が外に現れな� ��)が、遺伝子を持つ人の数が圧倒的に多ければ、結局ホモタイプで持つ人が多いので、O型も耳あかのドライも多くなるのだ。

Q11-17:AB型はなぜあんなに元から少ないんですか?
→AB型が生まれるパターンを考えればわかる。AB型はAの遺伝子とBの遺伝子の両方をもらわなければ生まれない。A型やB型はそうではなく、AOとかAAなどいろいろなパターンでA型になる。さらには、Oの遺伝子を持っている人が最初から多いという点も関係しているだろう。

Q11-18:O型はA型やB型に比べて生まれにくいのか?
→O型のできるパターンを考えると、A型やB型より生まれにくそうに思える。ところが、そもそもOの遺伝子を持つ人が多い。そのために、結果としてO型が多く生まれるようになる。ただし、これは人種によって違う。

Q 11-19:A、B、AB、O型の血液型があるけど、どれか一つでも血液型がなくなったりすることはあるのですか。
→すべての血液型は遺伝子で決まるから、これは結局A,B,Oの3種類の遺伝子のうちどれかがなくなることがあるのかという質問と同じになる。遺伝子は、親が子供を産んでいく限りなくならない。親から子へと伝わっていく。だから、たとえばO型の遺伝子を持っている人全員を集めて子供を産むのを禁じるというような極端なことをしない限り、なくなったりはしないだろう。

Q11-22:ヘテロタイプってどんなタイプですか、ヘテロって何ですか。ホモタイプってどんなタイプですか、ホモって何ですか。
→「ホモ」というのは、「同じ」というような意味を持つラテン語。「ヘテロ」は「違う」という意味を持つ。ホモ� �イプというのは、遺伝子の組み合わせが同じもの2つ組になっているという意味。ヘテロタイプは違う遺伝子の組み合わせのこと。

Q12-5:もし自分が色盲だったら何か直す方法はありますか/色盲は一生治らないの? また治す方法は?
→赤緑色盲の場合は、遺伝的に決まっているので、根本的には(今の医学では)直らない。ただ、色そのものの区別が付きにくいとしても、明るさなどの違いである程度判断できるそうだ。日常生活ではほとんど問題にはならない。

Q12-6:何で色盲とかあるんですか?すべて正常でもいいと思う。/何で正常や色盲にわけられなきゃいけないんですか?/なぜ正常・保因者・色盲の3つがあるんですか?みんな正常でもいいと思うのに。
→色盲は、網膜の細胞の機能の一部に欠陥があ� ��ものだ。遺伝子という「設計図」にミスがあり、網膜の細胞の中のある種のタンパク質(酵素)が作れなくなったものだ。もちろん、すべて正常の方がいいが、人間の体のたくさんのタンパク質が、すべての人が同じわけではない。髪の毛の色素を作る設計図が足りなければ、髪の毛が金髪になったりする。そういうことと同じだ。色盲が病気だというわけではないことをよく知っておいてほしい。

Q12-8:保因者は大変なんですか?/保因者ってどういう意味ですか
→正常の遺伝子と、色盲の遺伝子を1個ずつ持っている場合をいう。色盲に限らず、劣性遺伝の遺伝子を1個持っている場合は「保因者」という。「保因者」は表面上はまったく正常だ。遺伝子として色盲の遺伝子を持っているというだけで、本人も医者も持って� ��るということは全然わからない。検査をしたりしてもわからない。家族の遺伝の様子などを見なければ判断できない。だから「保因者」が大変だなどということはない。血液型の例で言えば、遺伝子型がAAのA型の人と、AOのA型の人では、血液型に関してはまったく区別がつかない。それと一緒だ。

Q12-10:まだまだ人間は進化していくのか
→次のプリントでやるけれども、突然変異はある決まった割合で必ず起こる。突然変異がすべて悪い方向への変化であるわけではない。いい方向に変化していくことも当然あり得る。そういう変化が、長い時間をかけて少しずつ蓄積されていくと、人類も変化していくだろう。頭が大きくなるとか、あごが小さくなるなどの変化はあり得ると思う。

Q12-11:日本には色盲の人がどれく� �いいるんですか/女の人でXaXaを持つ色盲の人が何%くらいいるのか
→日本人の男性の5%が色盲で、女性では0.2%だと言われている。つまり、日本人を約1億人とすると、男性では約500万人、女性で20万人が色盲である。

Q12-12:何でX染色体の上に色盲の遺伝子が乗っているんですか
→たまたまそうなったとしか言いようがない。ほかの染色体の上でもよかったのだろうが、たまたまX染色体の上に乗ることになってしまったというだけだ。

Q12-13:色盲は何で赤と緑なんですか。ほかの色の色盲はあるんですか/何色くらいあるんですか
→赤と緑の区別がつきにくくなる色盲がもっとも多いが、青と黄色が区別できなくなる色盲もあるという。これは、数が少なく、遺伝しないようだ。

Q12-14:色盲だ� �何か害はありますか/色盲の人は緑とかが見えにくいといいますが、信号の色などは見分けられるんですか?/色盲って何ですか
→色盲は、色の区別がつきにくくなる特徴のことだ。赤緑色盲が一番多い。これは赤と緑の区別がつきにくくなるひとだが、この人は、生まれつきなので、明るさなどによってある程度赤と緑の区別がつくと言われている。(考えてみれば、「正常」と言われている人も、自分の見ている赤と、他の人が見ている赤が本当に同じものなのか、確かめることはできない。)そのため、日常生活で困ることはほとんどない。暗いところで光っている信号などの色がわかりにくくなるということはあるそうだが、それも光っている場所などで判断できる。まったく不便がないとは言えないかもしれないが、日常生� ��での問題はほとんどないと言える。

Q12-15:最初から色盲になっていない人で、大人になってからなどになることはないんですか
→赤と緑の区別がつきにくくなる「赤緑色盲」は遺伝で決まるので生まれつきだ。(そういうものを「先天性」という。)これに対し、青と黄色の区別がつきにくくなる「青黄色盲」は、遺伝ではなく、網膜などの目の病気に関係して起こるらしい。

Q13-2:エイズの患者が一番多い国はどこですか
→世界全体で、約200万人のエイズ患者がいる。そのうちアメリカ(合衆国)だけで70万人いる。世界の約3分の1がアメリカ(USA)で発生している。ちなみに日本は約2000人だ。

Q13-3:エイズは検査ですぐ見つからないんですか?
→エイズのような病気の検査は簡単ではない� ��血液型を調べるみたいにすぐにわかればいいのだが。きちんとした検査になると、数ヶ月かかるらしい。

Q13-6:エイズ予防はどうすればいいか
→エイズは、血液からと、精液などの体液からしか感染しない。だから、一番危険なのは性交渉だ。そのためには、コンドームの使用など、HIVに感染する機会を減らすことが大事だ。特に、不特定多数の人とコンドームなしで性交渉をするのが一番危険度が高いと言われている。血液に関しては、注射器を回し打ちで使うことが非常に危険。(覚醒剤、麻薬などでありうる。)僕自身は、ひげ剃りも他人のものは絶対に使わないようにしている。

Q13-7:エイズにかかりやすい血液型ってあるんですか?
→エイズと血液型は何の関係もないから、かかりやすい血液型というのはな い。

Q13-8:エイズも遺伝するんですか
→エイズは遺伝病ではない。感染して発病する病気だ。ただ、母親がエイズにかかっているときに妊娠すると、子どもがエイズに感染してしまう危険性は高い。

Q13-9:エイズが治る薬はいつかできますか
→今、世界中で研究されているはずだ。チンパンジーにも似たようなウィルスがあるが、チンパンジーはエイズにはかからないらしい。エイズウィルスをやっつける免疫があるようだという。そういう研究を通して、人間でもエイズウィルス(HIV)を発病させないワクチンのようなものが発明されるかもしれない。

Q13-10:どうして人間は病気になるんですか? 病気をしないためにはどうすればいいのですか。
→むずかしい質問だ。病気とは何だろうと考えると、かえっ� �わからなくなる。病気には2種類あり、先天的なもの(生まれつきのもの)と後天的なもの(後から感染したり発病したりするもの)がある。先天的なもののうちかなりは遺伝により決まっている。また、後天的なものでも、高血圧や糖尿病などは遺伝的に決まっている面もある。人の遺伝についてもっと研究が進めば、これらの原因がすべて分かり、遺伝子治療などで解決する時代が来るかもしれない。しかし、それでも病気はなくならないだろう。ウィルスによる病気は、エイズのように、なくなるどころか新たに出現するものもこれからもあるかもしれない。

Q13-11:血液型占いはどういうふうに決めているのか?/なぜ血液型占いというのができたのか/一番最初に血液型占いをつくった人は誰なのか/血液型占いや性格判断 などは誰がどういう理由で考え出して、誰がどういう理由で必要とするのか?どういうふうに調べているのか?※
→血液型占いは、占いとしては比較的新しいものである。血液型そのものがラントシュタイナーによって発見されたのが1900年。その後、第1次世界大戦のあとに、人種差別にからめて血液型が使われた。「A型は優秀。白人はA型が多い。よって白人は優秀だ。」という言い方をされた。日本では1916年に軍隊の編成を考えるときに血液型を使ったりした。「射撃の成績はO型が一番。」「AB型に懲罰者(軍隊の中で罰を受けた人)はいないが、B型には多い。」などという分析がされた。(これは、ある程度の数で調べると、何かの傾向が出ることが原因。別な軍隊で調べるとたぶん全然違う結果になるはず。)その後、192 7年に古川竹二が「血液型による気質の研究」という論文を出す。これがブームになり、広まった。しかし、今分析すると、この論文はあいまいなところが多く、都合のよい解釈をしているところが多い。結局この論文が、血液型性格判断は科学的だという印象を与えてしまい、のちに日本中に定着する原因になった。今の血液型占いはほとんどこの古川の論文と、その後の能見正比古という人の本が元になっている。
どういう理由で占いがはびこるのか。それは、何かにすがりたいという人間の弱さがもとだろう。自分で決めて自分で責任を持たずに、占いや性格判断に責任を転嫁したいという心境が誰にでもあるからではないだろうか。

Q13-16:よく注射した血液から感染する人がいるけど、なぜ注射をする前にその血液が感染� ��ていると気づくことができないのですか?
→血液を見ただけで感染しているかどうかわかるわけではない。様々な検査をしてはじめて感染していることがわかる。今は、献血の時などはHIVの感染があるかどうか調べるが、その他の肝炎や他の感染症についてすべて調べるわけではない。だから、どう感染しているかまったくわからないと言っていい。注射を担当する看護婦さんなどが、人に刺した注射針を誤って自分に(ちくっと)刺してしまうという事故がある。これも、その人が何に感染しているかわからないから、こわい。だから今の看護婦さんはビニール手袋をして注射をすることがおおいようだ。

Q13-20:人の遺伝子は約いくつあるの?
→あとのプリントでやるが、約3万といわれている。10万という説もある。

< p>Q14-7:お腹の中の子がダウン症ってわかったからって中絶するという人は、なんでだろう。※
→それがみんなに考えてほしかったことだ。いろいろな意見があるが、一番よくないのは、何も考えずに、何も知らない状態で中絶したりすることだ。いろいろなことを知って知識を増やすということは、こういうところに意味がある。


スッポンを養うために何

Q14-8:ダウン症以外にはどんなものがあるんですか:21番目のやつじゃないとどんな障害が出るんですか?
→本来2個ずつある染色体が1個多いのは、「トリソミー」と呼ばれる。その中でも障害が軽いのがダウン症だ。ほかには、18番染色体が多い「エドワード症候群」、13番が多いパトー症候群」、X染色体が1個多く、XXYという組み合わせになっている「クラインフェルター症候群」などがある。クラインフェルター症候群は、ほとんど障害はなく、ホルモン治療などにより普通に生活できるそうだ。エドワード症候群とパトー症候群は、生後数ヶ月で死んでしまうことが多い。これ以外の染色体異常も、おそらくすべて同じ確率で生まれるはずだが、着床しなかっ� ��り、流産したりする可能性が高い。自然流産のうち、半分近くが染色体異常だという。受精したが、着床しなかったり流産するもののうちかなりがこれらの異常だと考えられる。我々の考えている以上に染色体異常が多いのだろう。

Q14-9:どうしてダウン症の人は21番だけなんですか?/ダウン症の子はなぜ1本多いのか/ダウン症の人は全員染色体の数が47本なんですか?48本になったりしないんですか?
→逆にそれがダウン症だとしか言いようがない。他の染色体が多かったり、1本少なかったりすれば、ちがう障害になって生まれる。

Q17-2:DNAとは体のどの部分にあるんですか
→すべての細胞の核にある。人間には60兆個の細胞があるのだから、一人の人間は60兆セットのDNAを持っていることになる。

Q17-5:何で人間は30億もの塩基対があるのか
→この塩基対が何個かセットになって「遺伝子」になっている。人間には30万個程度の遺伝子があるといわれているが、塩基対のうちかなりの割合で意味のない情報が含まれているらしい。これらは「老化」に関してのはたらきを持つという説もある。そういう情報すべてを含んでいるのだから、ものすごい数の暗号の中に入っている。それが30億の塩基対なのだ。

Q17-7:DNAはなぜ複雑な形になっているのですか(ぐるぐるまきみたいな感じの)/DNAってなんで二重らせんなんですか/なんでDNAは二重らせんなのか/なぜらせん状になるのか/ほんとうに(この模型は)DNAの形なの?
→DNAは、細胞1個1個に数mの長さの細いひもが入っているのと同じ長さだ。これを細� ��の核の中という小さいところにうまく入れるには、らせん状のぐるぐる巻きが一番いいだろう。というより、それ以外の方法では入りきらないと思う。だからDNAはこういう形をしている。

Q17-8:DNAはどの生物にもあるんですか/動物とかにもこういうDNAがあるんですか
→「生物」とは何なのかという問題と関係するが、普通の生物には必ずDNAがある。逆に言えば、DNAを遺伝やからだの設計図として使うようになったのが生物なのだ。ただ、ウィルスのようにDNAとはちがうRNAというものを遺伝物質として使うものもある。ただし、ウィルスが生物と言っていいのかどうかはむずかしい。普通は生物に入れない。もちろん、動物にも植物にもDNAはある。そして、すべての生物のDNAは人間と同じでこういう構造をしている。そこが生命� ��すばらしさだ。

Q18-1:化石は何年たてばできるんですか
→どこから化石と呼ぶか、その境目はむずかしいが、少なくとも数万年より前の動物の骨は「化石」と呼んでいるようだ。しかし、古墳や貝塚から見つかる骨などは化石とは呼ばない。まだ完全に石のようになっていなくても「化石」と呼んでしまうことがあるが、石のように固い状態になるのには、相当の時間がかかる。やっぱり数万年だろうか。

Q18-2:生物はどうやって生まれてきたのか
→これはまだまだ謎が多い。ある程度わかっているのは、タンパク質とかアミノ酸などは地球ができてからしばらくして、自然の化学反応で作られて海の中にたまっていったのだろうということだ。それがいろいろな化学変化を繰り返してDNAみたいなものができて、細胞の ようになって、自分で分裂をしていくようになったらしいということだ。

Q18-3:恐竜って何種類いるんですか
→種類の数え方によってちがうが、今見つかっているのは400種くらいと言われている。

Q18-4:恐竜の化石があまり見つからないのは何でですか
→それは日本での話。アメリカや中国のある地方では、たくさん見つかっている。それはそのあたりに恐竜がいっぱい生きていて、そうじゃないところにはあまりいなかったからだ。人間だって、地球上のどこにでもいるわけじゃない。山奥や砂漠や海が何億年もたって地層になったとして、そこからは人間の化石はほとんど出てこないよ。

Q18-5:なぜアンモナイトの化石とか売ろうとすると高い値段で売れるんですか
→高い? 売っているところにもよ� ��けれど、1個数百円くらいで買えるよ。そんなに高いものじゃないだろう。ただ、大きなものになるとどんどん高くなる。珍しさと発掘する手間によって値段が決まるのだろう。

Q18-6:一番小さい恐竜はどのくらいか
→コンプソグナトスという恐竜はジュラ紀後期の恐竜で、体長 75cm、体重3kgだそうだ。

Q18-7:なんで鳥でもないのに翼竜は飛べるのか
→生物は生きる環境を求めてどんなところにも行くし、様々な進化をしていく。たとえばコウモリは、鳥でもないのに(ホ乳類だ)、空を飛ぶ。クジラは魚でもないのに海の中で暮らす。恐竜の時代は、まだ鳥が進化していない。空を飛んでエサを取ったり移動したりする恐竜も出てきても不思議はない。

Q18-8:今世界で一番大きいアンモナイトは何cmでどこに置いてあるんですか
→日本一は1mくらいのもので、今は上野の国立博物館の特別展で展示されているそうだ(2月まで)。そういえば、そのポスターが職員室に貼ってある。世界一は2mくらいで、ネパールにあるらしい。

Q18-9:絶滅したといわれる恐竜ですが、本当に生� ��残りはいないのですか?
→「恐竜」とは何かということに関係するが、「大型のハ虫類」という意味では生き残りはいない。もっとも「ネス湖の恐竜」のように生き残っていてまだ見つかっていない、というものがいる可能性はある。「ネス湖」はインチキだったけどね。小型のハ虫類は生き残っている。トカゲはそういう意味では恐竜の生き残りといってもいいかもしれない。

Q18-10:なぜ化石は石の中にできるんですか※
→石の中にできるんじゃなくて、生物の死骸自体が石になるのだ。

Q18-11:恐竜の姿を見る限りすごく不自由そうですがどうですかね?
→すべての生物は、進化の結果できてきたものだ。だから、その環境には適した姿をしているはずだ。今の我々から見れば不自由そうでも、当時の環境では� �番適した姿なのだろう。

Q18-12:三葉虫はダンゴムシの形に似てるけど、三葉虫はもしかしてダンゴムシの祖先なんですか
→三葉虫もダンゴムシも、同じ節足動物である。もっとも、節足動物の中には、昆虫もエビやカニの仲間も含まれる。それらはすべて親戚の関係にあるから、ある意味で昆虫もエビやカニもダンゴムシもすべて三葉虫が先祖だと言っていいかもしれない。

Q18-13:三葉虫などの姿は今は何で進化しないんですか?ほかのものは進化しているのに。
→三葉虫が進化していったのが、今の昆虫やエビやカニなどの節足動物だ。昆虫の多さは、ある意味で今の地球を支配していると言っていいくらいだ。そういう意味で、三葉虫の系統が途絶えたと考えるのは間違いだ。

Q19-2:白亜紀って何なの?
� ��「白亜」というのは、チョークのことで、石灰岩のことだ。ヨーロッパで石灰岩がよく出る地層で、この時代の化石がいっぱい見つかったので、こういう名前がついた。

Q19-3:なぜ恐竜というのですか
→日本語で「竜」というのは、伝説上の怪物のこと。英語ではドラゴンだ。恐竜という言葉は、要するに「恐ろしい竜のような動物」ということからつけられたのだろう。

Q19-4:恐竜の中で一番小さい足はどれくらいか
→一番小さい恐竜はコンプソグナトスというジュラ紀後期の恐竜で、体長 75センチ、体重3キログラムだそうだ。ちょっと大型の犬ぐらいだろうか。その足を考えると、だいたい10pぐらいじゃないだろうか。

Q19-9:一番最初に生まれたホ乳類は何なんですか
→最初のホ乳類は、白亜紀よりもっと昔の、「三畳紀」に出現した。今のネズミくらいの大きさで、形もネズミに似ていたようだ。

Q19-10:まんがとかで恐竜がいたときに人間もいたとかいう感じのものがあったけど、それは本当なのか
→それはありえない。恐竜は6500万年前に絶滅したが、人類が今に近い形に進化してきたのは、せいぜい数百万年だ。

Q19-11:一番大きい恐竜でどのくらいの大きさなのですか/一番でかい恐竜は?
→調べた範囲では、「セイスモサウルス」という恐竜で頭の先から尾の先まで35mだそうだ� ��

Q19-12:なんで竜(恐竜)の足はそんなにでかいの? つーか、恐竜自体どうしてでかい?/こんな大きい恐竜はどうやって誕生したのか/どうして恐竜の足跡はそんなに大きいのですか/恐竜はどうしてそんなに大きいのか
→この時代は、ハ虫類の時代であり、ライバルがいなかったハ虫類がどんどん大型化していくことになった。今は、ホ乳類の時代であり、海にライバルがいないクジラがどんどん大型化していったのと同じだ。陸上ではゾウがいるが、今の陸上は他にも的がまだまだいるし環境が厳しいので、昔の恐竜ほど大きくはなれないのだろう。

Q19-13:今まで発見された足跡で一番古いものは何ですか
→日本で一番古いものは、新潟県と長野県の境目あたりで見つかっている化石で、2億年ほど前と言われ� ��いる。体長3mくらいの肉食恐竜の足跡だそうだ。アメリカにある「世界最古の恐竜の足跡」と呼ばれているものは、1億8000万年前だそうなので、日本の方が古い? どちらが古いか僕にはよくわからないが、2億年前というのはジュラ紀の始まりの頃なので、恐竜としては古い方のはずだ。

Q21-1:なんで人間は進化したのか/問い21-1の(2)で」人類に〜複雑になるってなんで複雑になるの?/なぜ(猿が)進化したのですか
→これは、人間に限らず、生物がどうして進化してきたのかという本質的な質問だ。進化とは、生物が環境により適したものに変わっていくことだ。環境とはいつも同じではない。環境が変わるとそれに対応できない生物は死ぬ可能性が高くなり、より適した生物が生き延びてその方向に進化してい く。そういうことを繰り返して人間が生まれてきたわけだ。

Q21-2:いずれはチンパンジーは人間になるの?
→それはありえない。チンパンジーが進化して人間になったのではなく、チンパンジーと人間の共通の先祖が進化して、チンパンジーと人間になった。チンパンジーも進化した結果できた動物なのだ。チンパンジーがこれから先もっと進化して知能が高くなるかもしれないが、それでも人間とはちがう動物になるはずだ。

Q21-3:シーラカンスは一度絶滅しているのか
→一度絶滅した生物は、そのあと復活することはできない。こはくなどの中から化石として残っている遺伝子をとりだして復活させるというのはありうるし、今佐渡にいる「トキ」の細胞を残しておいて、絶滅してしまったあとクローン技術で復活� �せるというのが、将来可能性としてないわけではない。しかしそれは人間の科学技術を使ってのこと。自然の状態では絶滅した生物は、それっきり途絶えてしまう。

Q21-4:現生人類の頭骨はこの先変化することはあるのですか
→現生人類も進化をやめているわけではない。進化し続けている。だから、頭骨もこれから先進化していくだろう。たぶん、頭の前の部分(おでこのあたり)がもっと大きくなって、あごが小さくなっていくのではないだろうか。

Q21-5:生きている化石ってほかに何があるか
→プリントに書いたもの以外に、ミドリシャミセンガイ・カブトガニ・オキナエビス・ムカシトンボ・メタセコイアなどがある。カメは、中生代からずっとほとんど変わらずにいるそうで、カメ全体が「生きている化石」� ��と言う人もいるそうだ。

Q21-6:シーラカンスは今どれくらいいるのか
→今までつかまったのは100匹以上と言われているが、つかまらずに海の底の方で生きているのはその100倍や1000倍以上いるだろう。

Q21-7:なんでヨーロッパの学者はイチョウが絶滅したと思っていたの?
→ヨーロッパにはイチョウはないのだから、化石でしかないものと思うのは当然だろう。

Q21-10:何で日本にイチョウがあったのか
→日本がイチョウが生きていくのに適した環境だったのだろう。あるいはライバルになる植物がなかったのかもしれない。ある意味で、たまたまそうなったということなのかもしれない。

Q21-11:なんでシーラカンスはそんなに大きいのですか
→大きな魚は他にもいくらでもいる。マグロはもっと大きい。「なんで」と言われても、そういう魚だったとしか言いようがない。

Q21-12:海は広いからまだほかにも生きている化石がいるのでしょうか
→海に限らず、ジャングルの奥やいろいろなところにまだ見つかっていない「生きている化石」があるのかもしれない。

Q21-13:骨の化石ってどんなとこでも残っているのですか
→化石として残るのは、条件のいい場合だ。 骨がすべて残るわけではない。たとえば、人間が食べた魚の骨は、人間の胃と腸の中で溶けてしまう。それを考えれば、長い時間のうちになくなってしまう骨も多いことがわかるだろう。

Q22-1:神経は何本あるのか
→神経は、ニューロンと呼ばれる神経細胞が集まってできている。ニューロンは長くのびた細胞で、この1本1本が刺激を伝えることでいろいろな情報が神経を伝わっていくことになる。そして、このニューロンの本数は、一人の人間でなんと1000億本だそうだ。

Q22-2:どうして脊椎動物は背中(背骨?)がある動物なんですか
→これは逆だ。神経がからだの真ん中に集まって、脊椎というものができている。それがある動物を「脊椎動物」と呼んでいる。無脊椎動物には、神経の集まった束はない。


Q22-3:なんでクジラとか人間の手の形をしているのか
→クジラのひれの骨が人間の手の形をしているのではなく、人間の手もクジラのひれも同じ先祖の前足なのだ。

Q22-4:海に生きている生き物で陸にいて海に戻った生き物はクジラやイルカのほかにいるんですか※
→アザラシやアシカ・オットセイ・トドなどがそうだ。これらは、ネコの遠い親類だ。ネコと共通の先祖を持っている。そのほかに、イルカやクジラのようにずっと海にいるわけではないが、ペンギンも鳥類なのに海で生活をしている。イルカ・クジラの仲間では、シャチがそうだ。シャチとサメは似ていると思っている人がいるかもしれないが、シャチはホ乳類で、サメは魚類だ。ハ虫類であるカメも、それほど 長い時間ではないが水の中で生活できる。

Q22-5:今まで一番長く生きた動物って何なんですか※
→動物の寿命を調べてみた。それによると、一番長生きなのはカメの一種で、ガラパゴスゾウガメというカメは175年が寿命だという。カメの他の種類も、100年をこえるものはいくつかある。あと、ゾウは100年が寿命。これ以外の動物ではほとんど50年をこえるものはない。人間は、動物の中ではわりと寿命が長い方なのだ。

Q22-6:人間の体に今はほとんど使われていない部分があるのに、なぜその部分はそのままで進化しないの?/何で必要ないのに体に残ってしまうの?/なぜ、今はほとんど使われていない痕跡器官が残っているのですか
→人間の体のすべての器官は、長い時間かかって進化してできてき� �。だから一つの器官が必要なくなっても消えてしまうまでにはまだまだ長い時間がかかるということなのだと思う。

Q22-7:動物はどうして勝手に耳とかしっぽとかを動かせるの?/なぜ動物は耳を動かせるのか
→その必要があるからだ。人間はまっすぐ立っていて首を回せば後ろを向くことができる。だから後ろで音がしたときすぐに首を回せばよい。ネコなどは、それができないから、耳でその方向の音を聞こうとするのだろう。

Q23-1:なぜ昔は二足で歩けなかったか
→むずかしい質問だ。動物のほとんどは4本足で歩いているのだから、2本足になるのは簡単なことではなかったはずだ。木や森で生活していたサルが、草原に降りて、2本足で歩く方が有利になって進化してきたと言うことしかわからない。

Q 23-3:何で昔の生物の名前がわかるんですか
→昔の生物の名前は、今の学者がつけて今呼んでいるだけだ。ネアンデルタール人は、自分たちを「我々はネアンデルタール人だ」などと思っていたわけではない。

Q23-4:象は何から進化したのか
→バクのような、鼻の少し長い動物が先祖だそうだ。ただしその先祖の大きさはブタぐらいだったという。

Q23-5:何で日本人は黄色人種で、何に対応しているのか
→人類の進化と人種の起源はまだまだわかっていないことが多い。ただ、少なくともアジア人の住んでいる地域は、紫外線が強くもなく、寒さがひどいわけでもない。その環境にもっとも適しているのが、アジア人の肌の色なのだろう。

Q23-6:縄文時代の人間ってなんて名前の人なんですか?新人とか?
→� ��文時代ぐらいは完全に現生人類だ。新人であると言ってもいい。実は新人である「クロマニヨン人」と我々とは、まったく違いはない。だから縄文時代も同じだ。ちなみにクロマニヨン人は4万年ほど前の人類だが、縄文時代は1万年前から2500年前頃までの時代だ。

Q23-8:現代人と新人は、ほとんど変わりがないことがわかったけど、ちがうところと言ったらどこですか。
→生物としてはまったく違いはない。タイムマシンで現代に連れてきたとしたら、現代人になれるだろう。

Q23-10:進化していくごとに背骨がまっすぐになるのはなぜか
→その方が有利だからだ。背骨がまっすぐだと、頭が大きくても支えられる。手も自由に使える。つまり背骨がまっすぐになったことで人類はますます知能を発達させて、� �具が使えるようになってきた。その方向の方が有利になったからだ。

Q23-6:なぜサル以外は人間のような進化をしなかったのですか?
→たとえばリスは木の実を前足でつかんで食べるが、そのリスが進化して知能を持つようにならないか、というような質問だね。子どものときに読んだ手塚治虫のマンガに、そういうのがあった。リスから進化した別な種族がいて、それが地球を征服するという話だった(「ゼロマン」)。でも実際にはそうなっていない。そういう環境がなかったとしか言いようがないのかな。

Q23-7:洞穴に住む生物が目を失ったように、人間も暗闇で何代も過ごしたら目がなくなって他の器官が発達するでしょうか?
→目がなくなるかどうかは、何千万年もかかりそうな気がする。でも、目があって� ��使わないで痕跡器官になることはありうるかも。でもそれも何万年も暗闇ですごすようなことがないとそうならないだろう。その場合は、目以外の何かが発達するのは間違いないね。
Q23-9:クロマニヨン原人はもっとも現代人に近いがそれ以上の原人はいないのか?
→クロマニヨン人は原人じゃないよ。原人は「ホモエレクトス」という名前のものだ。クロマニヨン人は新人。それ以上に現代人に近いものは、要するにもう現代人だ。

Q22-3:なぜ手(指)は5本あるの?
→偶然そうなったのだろう。先祖が6本ならホ乳類のほとんどが6本指になっているのだろう。

Q22-10:今、店に売られているクジラ肉はなんというクジラですか
→今はクジラを捕ることが国際条約で禁止されていて、調査すると言う名目でミ ンククジラという小型のクジラのみを年間500頭捕獲している。捕獲されたクジラは年齢や繁殖状況などを調査し、そのあと1頭当たり約1000万円で販売されているという。1頭が5トンだというから、単純に考えても1s2000円以上だ。僕が小学生のころは、クジラの肉は休職でしょっちゅう出てきたが、今はクジラの肉は高級料理だ。僕自身、最近は食べたことがない。

Q22-11:人類が痕跡器官をすべて失うまであとどれくらい変わりますか
→今の痕跡器官がなくなるころには、別のものが使われなくなって新しい痕跡器官になっているんじゃないだろうか。それにそうなるともう人類とは呼ばなくなるかもしれない。

Q23-3:人間もアウストラロピテクスからクロマニヨン人まで、こんなに違うのはどうしてだろう。
→それはどんな動物も同じ。ウマだってキリンだって、先祖から比べるとかなりちがう。人間だって、類人猿と人間の違いを考えればこんなにもちがうのは当然だ。

Q23-4:アウストラロピテクスより古いのはないのですか
→その前までは二足歩行をしていない。だから人類とは呼べず、類人猿に近い。アウストラロピテクスからあとを「人類」と呼ぶのだ。

Q24-8:草食の動物と肉食の動物は一方しか食べずに栄養はかたよらないんですか?
→それが「同化」だ。食べたものを分解して、自分用に作りかえる。それぞれの動物は、何を食べればよいか、その生物ごとに決まっていて、もちろんその生物自身は本能でそ� �を食べる。だから、それでかたよらないようにできている。人間は「雑食」なので、いろいろなものを食べることで、自分の体の物質をまんべんなく作るようにしているのではないだろうか。

Q24-9:病気などで同化できなくなった人はいるんですか?また同化できなくなったらどういう体になるんですか
→「同化」は生物の働きとしてもっとも基本的なものだから、同化できなくなると、体を作れないので、生きていられない。「生きている」というのは、同化や異化などの代謝をしているということなので、同化できない生物というのは、生きている限りありえない。

Q24-14:どうやったら体に必要な物質にできるの
→それが「同化」だ。すべて、遺伝子のDNAに入っている設計図を元に、アミノ酸を組み合わせて自分に必要なタンパク質を作りだしている。それこそが生物の一番大切なはたらきだ。

Q24-17:無機物と有機物にも属さないものもあるのか
→簡単に言えば、有機物以外のものが無機物なのだから、有機物でも無機物でもないものはありえない。

Q24-18:何で簡単な炭素の化合物は無機物なのか
→もともとは、生物の体を作る物質を「有機物」と呼び、それ以外を「無機物」と呼んだ。そして、その構造や元素を調べてみると、有機物はすべて炭素の複雑な化合物だということがわかった。そこで、炭素の複雑な化合物を有機物とする、と決め直した。だから、炭素の化合� �のうち単純なものは無機物に分類される。

Q24-19:なぜ植物以外のものは(有機物を)作れないのですか/動物はなぜ有機物を作れないのか
→逆に言うと、有機物を作るものが植物なのだ。動物は、有機物を作るのをやめた代わりに、自分で有機物を探しに行くために動くようになった。植物は探しに行く必要がないので動かない。

Q24-23:人は何も食べない生活をどれくらい続けられるのか/もし水がなくても人間は生きていけますか/水を飲まないで何日くらいで死ぬんですか
→百科事典によると、人間は水を取り入れなければ1週間くらいで死亡する。水だけは飲んで、食べ物をまったく食べない場合は、20日から40日は生きられるという話だ。

Q24-26:光合成しない植物はあるのか/自分だけだと光合成� �できない植物はあるのですか
→植物とは何なのかという「定義」によってちがってしまうが、昔の分類では、細菌やカビ・キノコなどの仲間も植物に入れていた。それらは光合成をしない。植物の定義を、「光合成をする生物」と考えれば、光合成をしない植物はない。

Q25-1:無機物か有機物のどちらかだけ取っていたらどうなるんですか?体には悪くなるんですか
→有機物は無機物から作られるが、それを作れるのは植物だけ。人間は有機物を作れない。人間は有機物がエネルギー源だし、体の材料でもあるのだから、有機物を取らない限り生きられない。無機物は、無機塩類として必要なものもあるから、有機物だけで生きることもできない。

Q25-2:動物の細胞のどれにも炭素が含まれているのですか
→その通� �。どれも例外なく炭素が成分として含まれている。

Q25-3:マックは本当にミミズの肉なのか
→それは、単なるうわさで、ウソらしい。そもそも、ミミズは(釣りのえさなどで売っている値段は)高い。ミミズを使うより、牛肉を使うほうがよっぽど安いそうだ。ただし、漢方薬として乾燥したミミズを粉にしたものを飲んだりすることはあるらしい。

Q25-4:どうして植物は光合成するのか
→これは話が反対だ。光合成する生物は、移動する必要がない。自分でエサを探す必要がないのだ。だから光合成をするものが植物と呼ばれるのだ。光合成をしない生物は、自分でエサを取りに行かないと生きていけない。

Q25-6:なんでおなかがすくの?
→このことがそもそも栄養が必要ということの本質だ。生物は活動し たり成長したりするためには必ず栄養分が必要。(その理由は授業でやっている。)だから取り入れた栄養がなくなれば新しく取り入れる必要がある。

Q26-2:寝ているときに意識がないはずなのになぜ呼吸ができるのですか?
→それが生物の不思議なところ。もっとも、意識をもたない動物でも呼吸するのだから当たり前ではあるが。動物は、脳(大脳)の命令でなく動くものをいっぱい持っている。そういうふうにできているのだ。

Q26-3:毛細血管が1つ切れたら大量出血して死んじゃうんですか
→しょっちゅう切れている。すりむいたりすると、皮膚がめくれて下から血がにじむことがある。そのときは、表面の毛細血管が切れている。毛細血管は切れても血がにじんでくるだけで、大量出血はしない。動脈を切ると出 血が多くなる。

Q26-5:骨は何本あるの
→200個と少しだという話だ。

Q26-6:血管って何色か※
→血管そのものには、色はないだろう。強いて言えば、灰色か肌色のような色をしているだろうか。詳しくはわからないが。

Q27-1:タバコを吸うとなぜ骨がもろくなるのですか
→ニコチンや有害物質が血液に入り込むので、それを通じて長年の間に骨にまで有害物質がためられていくらしい。

Q27-2:どんなにタールが低くても、体に伝わる害の重さは同じなの?
→多少はちがうだろう。低タールのタバコは、その分害は少ないだろう。しかし、すわない場合に比べれば、はるかに悪い。それに、「低タールの軽いタバコなら」という気持ちで吸い始めてしまう人が多いという話だ。タバコを吸う人口を増や すことになっている。これもJTの戦略なのだろうが、僕は許せないと思っている。

Q27-3:こんなに危険なタバコを最初に作った人は誰なんですか/最初にタバコを作ったのは誰ですか※
→タバコ自体は、大昔から吸われているようだ。中南米の「マヤ帝国」で吸われていたという。人に売るように栽培し始めたのは、17世紀のアメリカが最初らしい。誰かと言うことは具体的にはわからない。

Q27-4:1日にタバコで何人死んでるの
→世界で、1年間に400万人が死んでいるという。だから、1日には約1万人ということだ。

Q27-5:タバコは何のために作られたのですか
→大昔の人が、野原に生えているタバコの葉をたき火か何かで燃やして、その煙を吸ったときに、気持ちがいいと思ってしまったのだろう� �

Q27-6:ふつうのとき、空気中にCOは何%あるか
→0.00001%だそうだ。

Q27-8:世界で最もタバコに厳しい国は?
→「タバコ全面禁止」という国はないかどうか調べてみたが、ないようだ。ただ、スイスでは「全面禁止にしよう」という運動が起こっているそうだ。お酒がほぼ禁止という国はあるのにね。



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